「君に届け」11巻 椎名軽穂・著
風早くんと付き合えることになって夢のような気持ちの爽子でしたが、くるみちゃんのことを思うと複雑な気分になります。人気者で爽やかでモテる風早くんなので、陰で泣いた女子はきっとたくさんいたことでしょう。
そういう女子軍団が爽子に危害を加えるのではないかと警戒する千鶴とあやねでしたが、立ちはだかってくれたのはくるみちゃんでした。始めの頃は好きになれないタイプの女の子だなと感じていたくるみちゃんですが、決して悪い子ではないんだなと分かって見直してしまいました。
そして、1年生の頃の出来事を風早くんの目線で描いたエピソードが面白かったです。視点が変わると、知っている話もまた違って見えて新鮮でいいですね。また、風早くんと爽子が初めての休日デートをする話は、あまりにかわいらしすぎてニヤニヤしっぱなしでした。二人が思ったよりもずっとぶっちゃけた会話をしていて興味深かったです。なにより、バレンタインの時に渡せなかったチョコを渡せたのが一番良かったと思いました。