初恋は中学一年生のときです。私は美術部に入部したのですが、そこは名ばかりのほぼ漫画サークル。やる気のない部員たちの中で、ひとり気になる人がいました。2つ年上の先輩です。
地味だし、かっこよくないし、話したこともなくてどんな人か知らないのに、ひとり真面目に油絵を描き続ける姿にだんだんと惹かれていきました。
しかし私はシャイで、一向に話すことができません。すると偶然、習い事が一緒の2つ年上の女友達Mちゃんが、先輩と同じクラスであることがわかったのです。Mちゃんは喜んで協力すると言ってくれ、先輩の情報を仕入れてくれることになったのです。ツイてると思ったのも束の間、数ヵ月後、なんと先輩がMちゃんに告白し、ふたりは付き合うことに。話を聞くと、私に情報を教えるためにMちゃんがよく話しかけるようになった結果、好きになってしまったそうです。私の初恋はキューピッドの役割を果たして終わったのでした…。