ネタバレ注意・感想・書評「君の膵臓をたべたい」読み始めの内容は小学生や中学生でも簡単に入り込めるとてもやさしいストーリーです（レビュー）。 #読書

君の膵臓をたべたい　住野よる（著者）　本当に泣けてしまう

この本を手にしたとき、内臓系？膵臓じゃなくても、肝臓でも胆のうでもいいのにと感じた。この臓器については病気になっていることを発見することは非常に難しいといわれており、気がついたときには余命を聞かされ若くしてこの世を去ることとなる。この本を手にするとき、良くも悪くも最後まで読んでみようと心に決めた。

君のすい臓をたべたいという住野よるの作品の帯には最後は必ず泣けると。。どんな人でも泣けるのだろうかとふと思った。

読み始めの内容は小学生や中学生でも簡単に入り込めるとてもやさしいストーリーです。昔っぽさもなく、現代の学生生活ではありえる恋愛小説。ただひとつ彼女には家族以外には隠していた膵臓の重い病気にかかっているということ。ふとしたきっかけで知ってしまった同級生の男の子との出会い。この男の子も彼女の普通の生活をそっと見守って、いつの間にか彼女の生活により添い、誰でも過ごす普通の生活を送っている。一緒に食事したり、旅をしたり次第に一緒にすごす時間を共有したそれだけ。それだけのことなのに、この本のすごいところは後半の３分の1。
彼女は病気で亡くなるのでなく、通り魔に刺されて命を絶つ。大切な人にありがとうを伝える前に。そして残された「共病文庫」。闘病生活ではなく「ともにやまいとすごした」記録。
彼女の日記は、同級生の男の子と出会う前、出会ってからでは考え方も変わっていった。つらかったことはこの文庫にしか綴っていない。この文庫を同級生の男の子が手にした。
。手にしなければこの本の終わりは感動が無かったことだろう。