「君に届け」20巻 椎名軽穂・著
三者面談の場でいきなり風早くんがお父さんに殴られる、という波乱のシーンからのスタートでした。確かに威厳のあるタイプのお父さんだとは思っていましたが、まさかこんなに激しい人だとはびっくりです。あだ名がゲキレツって怖すぎます。
三者面談の場でいきなり風早くんがお父さんに殴られる、という波乱のシーンからのスタートでした。確かに威厳のあるタイプのお父さんだとは思っていましたが、まさかこんなに激しい人だとはびっくりです。あだ名がゲキレツって怖すぎます。
楽しかったクリスマスも終わって年末を迎えます。お店の手伝いが忙しい風早くんとはなかなか会えない爽子ですが、一年前と比べたら信じられないくらい二人の距離は縮まりましたよね。千鶴は龍と、あやねはケントとそれぞれカップルで初もうでに行くことになり、みんな一緒ではないけれど幸せそうでなによりです。
風早くんがずっと気持ちを抑えていたことが誤解を招いて、爽子があんな風に泣く事態になってしまいましたが、不安が無事に解消されて良かったですね。しんしんと降りしきる雪の中でたたずむ二人がとてもきれいで、思わず見入ってしまいました。
この17巻は、まるごと一冊クリスマス一色の巻でした。
風早くんと爽子が付き合い始めてから初のクリスマスですが、去年のリベンジの意味合いも込めてクラスみんなでのパーティーに出席することになります。進んで幹事を引き受けた風早くんは、細々したことに気を遣いながら一生懸命に立ち働いて、本当にえらいなぁと感心します。
龍から告白された千鶴が、それ以来やけにボーっとしたり挙動不審になったりして、女の子らしい一面が全開になっていて微笑ましかったです。いつも足を広げて座ったり男の子みたいな口調でしゃべったりするだけに、明らかに緊張している様子は意外に見えました。
様々な出来事があった修学旅行も終わり、夢から覚めたような気分になる爽子。風早くんとは手をつないだり下の名前で呼び合ったりすることもなくなり、距離を感じる爽子の悶々とする気持ちがとても伝わってきました。きっと風早くんは浮かれすぎたと反省して自分を戒めているのだと思いますが、人付き合いって本当に一筋縄ではいかないんだなとしみじみ感じます。
待ちに待った沖縄への修学旅行がスタートしました。爽子たちは普段は北海道で暮らしているという設定だったんですね。北海道から沖縄までといったらけっこうな長距離移動なので、みんなが非日常に浮かれて騒ぐ気持ちもよく分かります。移動中のバスの中で、密かに練習していた怪談を披露した爽子には笑いました。