うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち:田中 圭一
この本では著者の経験談を踏まえ、ウツを乗り越えた人達と対談形式の一話完結型で紹介されています。難しい専門用語や敬遠しがちな暗い描写が少なく誰でも読みやすい構成になっています。絵柄自体はポップで暗いイメージがなく、手に取りやすい本です。
うつが身近に感じられるようになってどれくらいでしょうか。わかったつもりになって言葉を使っている人々が多い思います。私自身、この中の一人でした。本を読んでからは、ウツに対しての偏見がなくなり柔軟さが得られたと感じています。さらに自分の内面と向き合う機会も得られました。ただ著者の表現によりマイルドに描かれているため踏み込んだ知識が欲しい場合には他の書籍を参考すべきでしょう。加えて入門書としては中途半端な印象です。体験談としてまとめられているので解決策を模索している方にはオススメできません。ウツを抱えている人に対してどう接したらいいかわからない人にはうってつけの本です。