」で便利でお安く。私が彼に恋をしたのは中学2年生の時だった。
彼は顔も運動神経も特に良い訳ではない、パッとしない子だった。
でも、私は彼の笑った顔が好きだった。
そのことを彼にはおろか、三年間ずっと一緒にいた親友にも伝えることはなく初恋はひっそり終わった。
そして月日は経ち、成人式で彼と再会した。
相変わらずいろいろ微妙だったが、今度こそ親友にも相談して『同窓会で再会して付き合う』…とほんの少しだけ夢を見ていた。
妄想するには理由があった。会場で何度も彼がこっちを見ていたからだ。正直、期待した。
でも、実際は成人式も何事もなく終わった。
『まぁ、こんなもんだ』と、中学生の時も実は恋をしていたのだと親友には話して昇華しようと考えていた。
そんな時に親友の方から恋愛話を持ち掛けられた。
内容は、成人式の日に男子に告白されたというものだった。うらやましい。
しかも、相手は私の初恋の相手。あ、成人式の日は、私を見ていたのではなく、一緒にいた親友を見ていたのね。
がっかりしながら「返事はどうしたの？」と親友に聞いてみた。
「気持ち悪いから断った。」
気持ち悪い、いうに事欠いて、気持ち悪いとは。
そうか。それでも私はキミが好きだったよ。
